Inconvenient Truth: Glucose
糖質の不都合な真実


糖質と糖類の違い
糖質は、糖類を含み、炭水化物から食物繊維を差し引いたもので、穀物、根菜、糖類などです。一方の糖類は砂糖やブドウ糖などの単糖類・二糖類の総称です。
インスリンは血糖を調整
ブドウ糖は血液中では、血糖と呼びます。
膵臓から分泌されるインスリンは、血糖値(濃度)を調整しています。
血糖値測定は、体重測定と同様、測定器を購入すれば、自宅で簡単に測定できます。
正常な血糖値(引用元:北里研究所・糖尿病センター長:山田悟医師)
食前の血糖値:110mg/dl未満
(糖尿病予備軍:110〜125mg/dl、糖尿病:126mg/dl以上)
食後血糖値 :140mg/dl未満
(糖尿病予備軍:140〜199mg/dl、糖尿病:200mg/dl)
糖尿病予備軍・糖尿病患者
①糖尿病予備軍は、生活習慣を改善しないと、6〜10年後には、糖尿病になると言われています。
②動脈硬化:生活習慣病。高血糖状態は、血管内壁を傷め、すると、コレステロールがこれを修復し、コブのような形になり、血流を悪くし、血管内脳梗塞、心筋梗塞、動脈硬化のリスクを高めます。
③メタボ肥満:生活習慣病。高血糖状態は、インスリンが血糖を中性脂肪に変え、脂肪細胞がこれを取り込んで大きくし、メタボ肥満を起こします。
④糖化作用
高血糖状態では、血糖が、酸素を身体中に送るタンパク質のヘモグロビンと結び付いて高血糖状態になり、タンパク質と糖と体温で糖化が生じ、老化を促進します。
糖化でコゲを作り、骨格は茶色に変色し、骨質と骨量とが劣化して脆(もろ)くなり、骨粗鬆症を起こします。皮膚では、茶色のシミを作ります。
⑤酸化作用
高血糖状態では、余分な活性酸素を発生します。
余分な活性酸素は、細胞のDNAに働き異常な細胞分裂を起こし、癌細胞を作ります。
⑥血糖値値の乱高下(血糖値スパイク)高血糖から危険な低血糖へ
過剰な糖質を摂ると、急激な高血糖を起こし、大量のインスリンが分泌されます。すると、急激に血糖を下がることで、血糖が下がり過ぎる低血糖を起こします。
血糖値の乱高下の結果、不安感や恐怖心、イライラなどの精神症状や、動悸や手足のしびれ、頭痛等、身体症状が現れます。 血糖値が急に下がると、集中力の低下や無気力、強い眠気などにも悩まされます。
⑦糖尿病合併症:
糖尿病が進むと、合併症を起こします。神経障害、網膜症、腎症、壊疽、動脈硬化症(脳梗塞、心筋梗塞、狭心症)、歯周病の6つが有ります。
⑧糖尿病が原因の死亡者数
厚生労働省発表の「人口動態統計の概況」に依ると、平成27年1年間の死因別死亡総数のうち、糖尿病による死亡数は1万3, 327人で、男性は7,125人、女性は6,202人。
糖質の特徴
糖質は中毒性・依存性が強く、ヒトは食べ過ぎてしまう傾向が有り、又、すぐに空腹感を覚え、食べることを繰り返します。
又、血糖値の上昇、下降を繰り返すことで、心身の美容・健康にとってマイナスで、体の老化を促進し、生活習慣病の発症リスクを高めます。
この糖質地獄から脱する為に、1970年に米国の外科医・アトキンス医師が考え、アトキンスダイエットを書き著した本が出版され、世界中で広まりました。
現在では、『糖質制限食(ローカーボ)』と『ケトン体食事療法(ケトジェニックダイエット)』が流行っています。
・江部康二医師の糖質制限食=高タンパク質+高脂質+糖質制限
・ケトン体食事法 =高脂質+至適量のタンパク質+糖質制限
3大栄養素は学校で何度も勉強しているので、よく知られていますが、糖質の欠点については学んでいないのではないでしょうか。
①エネルギー源としての栄養素:糖質、脂質
②体を作る栄養素 :脂質、タンパク質
私達の体の中で、ブドウ糖をエネルギー源とする組織・器官は、ミトコンドリアを持たない細胞で、赤血球や
糖質は代謝してブドウ糖に変わり、細胞の解糖系(無酸素状態)で、2〜38ATPのエネルギーを産生します。
しかし、これは、タンパク質の糖新生で赤血球にエネルギー源を供給し、有酸素のミトコンドリアへ脂質からの高エネルギーを供給することで、糖質が無くてもヒトは正常に働くことが出来ます。
ヒトは、糖新生で筋肉を分解してタンパク質に変え、ブドウ糖を作ります。
ブドウ糖はミトコンドリアの無い細胞のエネルギー源となり、赤血球のエネルギー源はブドウ糖です。
全身の細胞へのエネルギー源は、ブドウ糖を優先して消費し、消費し終わると脂肪酸を消費するようになります。ブドウ糖の2〜38ATPのエネルギー産生量よりも脂肪酸のエネルギー産生量が129ATPと圧倒的に大きいので、ガス欠、エネルギー不足からくる疲労感をなくすことが出来ます。
以上から、糖質を摂らずに、脂質とタンパク質だけで、体は正常に働くことが出来ます。
<用語説明>
ATPは、アセチル3リン酸の略で、アセチル3リン酸からアセチル2リン酸に変わる時にリン酸を1つ放出します。この時に1ATPというエネルギーを産生します。
糖質には、心身共に悪化させる『糖質の不都合な真実』が有ります。
A. 多くの人は、糖質摂取で、質的栄養失調(低栄養体質)になります。
B. 糖質は、血糖値を上げる唯一の物質で、多量の糖質摂取は、インスリンの分泌を伴い、血糖値スパイクを起こして高血糖・低血糖状態を作ります。
C. 改善方法
A. の説明:
現在の栄養学は、厚生労働省、管理栄養士、医師に依り、『カロリー制限食=炭水化物60%+脂質20%+タンパク質20%』が勧められています。
糖質は、炭水化物(糖質+食物繊維)に含まれる栄養です。
食物繊維は、第2の脳と言われている腸の働きを良くするだけでなく、全身の健康にも影響する不可欠な物質です。
糖質は、中毒性、依存性が高いので、多量の糖質を摂ってしまいます。
すると、糖質の過食により、脂質とタンパク質が食べられなくなり、残す結果になり、脂質とタンパク質の摂取量が少ない、栄養不足になります。
50歳以上の高齢者は、糖質のエネルギー代謝は無くなり、脂質とタンパク質だけの代謝になるので、細胞膜・ホルモン・筋肉・骨格・組織器官・皮膚・毛髪・酵素を作ることが出来なくなり、又、新陳代謝が正常に行われなくなるので、体の不調が起きます。

B.の説明:
過剰な糖質は代謝して過剰なブドウ糖に変わり、血液は急激に高血糖になります。
すると膵臓は、高血糖を感知して、大量の追加インスリンを分泌します。
大量の追加インスリンは、血糖値を急激に下げ、下がり過ぎた低血糖になります。
このような状態を『血糖値スパイク』と言い、多くの問題を起こします。
①急激な高血糖で起きること
・食後高血糖は、糖質から変わったブドウ糖が、血管内でタンパク質のヘモグロビンに付着する糖化作用を起こし、ヘモグロビンの本来の役割である酸素を全身の細胞へ届けることが出来なくなります。
・糖化作用で、骨のコラーゲンにコゲを作り、骨質・骨量を劣化させて脆くなり、骨粗鬆症を促進します。
・糖化作用で、皮膚の細胞のコラーゲンが劣化して、茶色のシミを作ります。
・高血糖は大量の活性酸素を発生し、酸化作用を引き起こします。癌、糖尿病、認知症、動脈硬化(脳梗塞、心筋梗塞)等を起こします。

②急激な低血糖で起きること
・低血糖状態では、空腹感が増して、イライラ感だけでなく、酷い疲労感(慢性疲労症候群)、強いうつ症状(第4の糖尿病合併症)、パニック障害、動悸、ほてり、頭痛、感精神的不安、気持ちの切り替えができない、眠れないことが入れ替わり立ち替わり現れる自律神経の乱れ等が生じます。
・これらの症状は、高血糖にする時の、脳内の神経伝達物質「セロトニン」「セロトニン」「ドーパミン」「アドレナリン」「ギャバ」の不足によるものです。
③ブドウ糖のエネルギー代謝で、鉄分、亜鉛、ビタミンB1を大量消費するので、体内の鉄分、亜鉛、ビタミンB1が不足します。
④加齢、高齢化により、高血糖時に発生する活性酸素を消去する働きの抗酸化酵素SODが減ることから、体外からの補充が必要になります。
⑤インスリンは、急激な低血糖を引き起こします。
⑥インスリンは、メタボ肥満、認知症、癌のリスクを高めます。
C. の説明:
体を守るには、高血糖と血糖値スパイクを予防する食習慣の『糖質制限食(ローカーボ)』と『ケトン体食事療法(ケトジェニックダイエット)』で、『血糖値スパイク』を起こさない食事が大切です。
又、細胞内のミトコンドリアを活発に働かせると、脂肪酸をエネルギー源にすると産生量が増え、寿命を長くすることができます。
・『糖質制限食(ローカーボ)=高タンパク質+高脂質+糖質制限』
・『ケトン体食事療法(ケトジェニックダイエット)=高脂質+至適量のタンパク質+糖質制限』
・重篤な人には、消化吸収代謝が優れる中鎖脂肪酸の栄養補給が行われています。又、50歳代以降の人のエネルギー代謝は、糖質のエネルギー代謝よりも脂肪酸のエネルギー代謝の方が優れるようになるので、有酸素で全身の細胞のミトコンドリアでエネルギーを産生する栄養療法に基づいた『脂肪酸+ミネラル+ビタミン+抗酸化物質(ファイトケミカル)+食物繊維+水分』が大切です。
脂肪酸 :最良の脂肪酸は飽和脂肪酸の中鎖脂肪酸(MCTオイル、有機JASヴァー
ジンココナッツオイル)
(注)長鎖脂肪酸は、肝臓の脂肪細胞に蓄積されますが、中鎖脂肪酸は脂肪細胞に
蓄積されずに、肝臓でケトン体に変わり、中性脂肪を分解します。
ミネラル :鉄分、亜鉛、抗、マグネシウム、
ビタミン :ビタミンA・B群・C・D・E・K、
抗酸化物質:植物(ポリフェノール、活性酸素を消去します。)
食物繊維 :水溶性食物繊維
(大腸で発酵分解して、抗癌作用のβヒドロキシ酪酸が作られます。)
脂質の摂取では、中鎖脂肪酸のMCTオイル、有機JAS認証取得ヴァージンココナッツオイルは、肝臓でケトン体を効率的に産生し、大変効果的な働きを発揮します。
・長鎖脂肪酸は、体脂肪になり、残ります。
・中鎖脂肪酸オイルのMCTオイルは、体脂肪として残らない。
・有機JASヴァージンココナッツオイルは、中鎖脂肪酸と長鎖飽和脂肪酸との混合オイルなので、長鎖飽和脂肪酸は、体脂肪として残りますが、時間差で以って、次の中鎖脂肪酸の摂取の時に、体脂肪が燃えて、減量し、ケトン体に変わります。