1. 葉野菜をベースにしたケトジェニックダイエット

 


私は、以前エレクトロニクス企業で、長く海外事業支援をしていましたので、栄養学と食品、食用オイルに関しては未経験の分野でした。

 会社設立した2012年以来、ケトン体を、ブドウ糖に代わる新しいエネルギー源とする食事法・ケトジェニックダイエットを推進し、これを容易に実現できる中鎖脂肪酸のココナッツ由来のオイルを扱って来ています。

 30代から、メタボ肥満、高血圧症、高血糖と生活習慣病を患い、毎月1回通院する生活で、糖質だけを減らす食生活にしたので、筋肉だけが減り、ダイエットに失敗し、生活習慣病を改善できませんでした。

 2011年ロサンゼルス出張中に、ホテルのラウンジで米国人メアリーニューポート医師の夫の若年性アルツハイマー病を改善した記録を掲載した新聞記事を偶然、見つけたのです。

 父がアルツハイマー型認知症(当時は痴呆症と呼称)だったので、遺伝に依り発病を恐れて、ココナッツオイルに強い関心を持ちました。

 60歳定年を迎えて、早速、東南アジアのココナッツオイル工場8社にアポを取って、延べ25社調査訪問してココナッツの製造方法を決め、東南アジアの中で一番産業基盤が整っている工業国で、親日国でもあるタイの、商品、生産管理、従業員の教育訓練が行き届いている企業1社を選び、商品の製造方法、仕様を決めて以来、現在に至っています。

 帰国後、Amazonで彼女の本を取り寄せ、ケトン体だけでなく、多くの難しい医学専門用語を理解しながら読み、ココナッツオイルが持つ潜在能力を知りました。

 そして、ココナッツオイルを輸入して直ぐ、アルツハイマー型認知症予防の為にケトジェニックダイエットを始めました。

 お陰様で、体脂肪が急激に減り、3〜4年間で30kg減らす減量ができ、睡眠時間は5時間と以前と同様短かったのですが、それでも、メタボ肥満、高血圧症、高血糖と生活習慣病の改善に、成功しました。

 そして、米国のココナッツリサーチセンターを知り、所長のブルース・ファイフ博士の著書を読み、ココナッツオイルの持つ更に多くの潜在能力について知ることになりました。

 このように、ケトジェニックダイエットに関する知識と情報は、健康分野の裾野が広い米国には多くの医療研究者、栄養学の研究者、実践者が居て、そして多くの情報、書籍を通して発信されています。

 清水スタイルでは、最新の論文、そして専門医、研究者が著したを書籍を読んで情報知識の更新をしています。

 今回は、今月アマゾンでも本屋でもなく、唯一ネット販売されている書籍「Keto Tarianケト・タリアン」のご紹介です。

 著者のウィル・コール医師は、機能性医学と統合医療の分野の専門医で、対症療法と異なり、原因療法に近い治療法を行っています。

 米国には、医学部で栄養学を学んだ医師が多いのですが、日本の医学部では栄養学がカリキュラムに無いことから、日本で統合医療を行っている医師は米国留学組と言えます。

 換言すると、日本の医師の多くは、薬を用いて対症療法を行う医師です。

 薬学では、医薬品は体内では異物であり、副作用を持つので、体内で代謝する際に活性酸素を作る、としています。

 ケト・タリアンとは、ケトジェニックダイエットよりも厳格になり、腸と脳の健康を重視し、慢性炎症を減らす食事療法です。動物性タンパク質を徹底的に無くし、食物繊維の野菜、発酵食品の納豆のような植物性タンパク質を多く摂ります。但し、穀物の摂取は控えます。ここまでしないと体の不調、脳の不調、生活習慣病は防止できないとしています。

 第5章には、小麦粉の代替品が詳しく記述されています。 

 以前ご紹介した、老化は病気であって、老化の病気を予防することで、長寿は達成できると説明する、ハーバード大学のデビッド・A・シンクレア教授の書籍「Life Span」の内容と同様、動物性タンパク質の肉・乳製品の摂取を勧めていません。

 唯一認めているのは、平飼いの鶏が産んだ鶏卵です。

 ヒトの胎児の栄養は、ケトン体で母親の胎盤から供給されます。

 新生児は、母親の母乳しか飲みません。母乳には、抗炎症作用や抗微生物作用のある中鎖脂肪酸のラウリン酸(良質なオイル)が多く含まれて、肝臓でケトン体に変え、活動のエネルギー源としています。このように、一切、糖分、糖質は摂らない食生活です。

 ところが、離乳食が始まると、高度に精製された白米や小麦粉から作ったパンやうどんなどの食文化に変わります。

 問題はここからです。

 

AAA. 糖質制限して、ココナッツ由来の有機JASヴァージンココナッツオイルやC8カプリル酸100%MCTオイルを摂取して、肝臓でケトン体に変わり、ブドウ糖に代わる新しいエネルギー源にすることで、ケトジェニックダイエットになります。

 では、この健康上のメリットは一体何でしょうか?

ケトン体は安全な栄養・燃料(活動のためのエネルギー源)です。

細胞の新陳代謝が活発になり、ミトコンドリアの数が増えて活性化し、各細胞の機能が十分に働くようになります。(筋萎縮性側索硬化症ALSの発症予防改善の研究がされています。)

炎症反応が強過ぎる為に生じる自己免疫疾患は、健康問題の共通病態である慢性炎症であり、ケトン体の成分のベータヒドロキシ酪酸(BHB)の優れた抗炎症作用で、自己免疫疾患を軽減します。

古い細胞を壊して新しい細胞を作り、抗老化や病気予防に役立つオートファジー(自浄作用)が活性化します。

脳の健康問題に関して、医薬品よりもケトジェニックダイエットが強力な治療法になるという科学的知見が有ります。脳は腸から胎児期に分化して、腸脳軸と瞑想神経を通じて、一生にわたり特別な関係を持ちます。セロトニンは95%腸で作られ保存されます。体内のコレステロールの約25%は脳に有り、脳の60%が資質で有り、コレステロール値を低下させるスタチン系薬剤の服用は、脳障害、記憶喪失などの副作用を起こしています。 ココナッツ由来の中鎖脂肪酸オイルは、肝臓でケトン体を作り、ケトン体は脳の安全を保護する血液脳関門を簡単に通過し、その成分であるベータヒドロキシ酪酸(BHB)を上昇させて脳を守り、自閉症、注意欠陥多動性障害(ADHD)、双極性障害、統合失調性、不安障害、てんかん(脳神経細胞内のミトコンドリアの機能向上)、うつ、ブレインフォグ、TBI(外傷性脳損傷)、アルツハイマー型認知症、パーキンソン病、ALS等に対し、脳や体のエネルギー源がケトン体になると(ケトーシス状態)、脳由来神経栄養因子(BDNF)を増加させ、脳神経細胞を保護し、新しい脳神経細胞の成長を促したりと、強力な作用を持つ医薬品よりも安全に作用します。(本文で、論文を紹介しています。)

ケトーシスになることで、インスリン抵抗性の問題が無くなり、血糖値のバランスが保たれ、代謝障害、2型糖尿病、体重減少等に抵抗性のある人に効果を発揮します。又、3型糖尿病と言われるアルツハイマー型認知症にも効果を発揮します。これは、インスリン抵抗性が高まると、脳の記憶注水の海馬の編成が進行し易くなりますが、ケトーシスにすることで、アルツハイマー型認知症は改善します。

ケトーシスになると、空腹を感じなくなり、食事量が減るだけでなく、中鎖脂肪酸オイルを摂取することで、体脂肪(中性脂肪)を燃やして、ケトン体に変えてくれるので、好循環が生じます。

中鎖脂肪酸の摂取で、酸化LDLコレステロール、中性脂肪を下げて血管内のリポタンパク質が垢(あか)のように貯まるのを防いで、心臓疾患発症リスクを下げます。

日本の癌罹患予想数2020年1,012,000人(男性582,200人、女性429,900人)、死亡者予想数379,400人(男性220,500人、女性158,900人)です。ヒトのDNAは何千年もの間変化していませんが、摂取している食品、環境の激変に対応しきれていないことで、遺伝子疾患を引き起こしています。癌細胞の多くは成長と代謝とをグルコース(ブドウ糖)に依存しており、ワールプール効果として知られています。複数の研究で、ケトジェニックダイエットが腫瘍を小さくし、胃癌、肺癌、前立腺癌を抑制することが知られています。星状細胞腫のような重度の脳腫瘍、多形性膠芽腫(こうがしゅ)などの中枢神経の腫瘍に対しても、ケトジェニックダイエットにより活性化する主要経路の一つのAMPK経路は、腫瘍の成長を抑制します。又、ケトジェニックダイエットは、細胞の成長と分裂を担うタンパク質(mTOR)を阻害する作用が有ります。数件の研究から、mTOR経路の働と種々の癌の抑制との間には関連があることが分かってきました。

PCOS多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)は、グルコース代謝とアンドロゲン代謝に異常が見られる疾患で、約10%の女性に見られ、肥満や不妊をはじめとする多くの問題を起こします。ケトジェニックダイエットは、インスリン感受性を正常化するので、この疾患に対する自然で良好な治療法となります。

BBB. 長期に亘ってケトジェニックダイエットを続けるには、潜在的な危険がいくつか有ります。

ケトジェニックダイエットの食事の中に、人工甘味料や乳製品、肉等を食べてしまいます。すると、腸を害してしまい、慢性炎症と体調不良になっってしまいます。

炎症性のA1ベータ・カゼインを含む乳製品は消化不良と炎症を引き起こします。又、米国産の牛にはホルモン剤と抗生物質が与えられ、牧草でなく遺伝子組み換え技術を用いた穀物のトウモロコシが与えられています。牛乳は殺菌され、ホモジナイズ(乳脂肪を均一化する処理)され、乳脂肪が除去されています。ですから、牛乳摂取で、不調が増幅します。 牧草育ちの牛の乳から作った「ギーGhee」はカゼインが除去されているので、問題を起こし難く、お勧めです。

野菜には、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)を豊かにするファイトケミカルとプレバイオティクスが含まれており、ケトジェニックダイエットには大切な食品です。高脂質で低食物繊維の食事は、代謝性エンドトキシン血症という炎症をグラム陰性菌(大腸菌・サルモネラ菌・緑膿菌)に依って引き起こします。こうした細菌はリポ多糖(LPS、エンドトキシン)を細胞壁に持っています。腸管壁の透過性が上昇するリーキーガットのせいで、LPSが血中に入ると、体全体に炎症が増加します。高食物繊維食では、有益な腸内細菌に栄養を与え、細菌は有益な代謝物を産生し、炎症を緩和します。清水スタイルでは、タイ産・バジルシードを販売しています。バジルシードには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が豊富に含まれています。

ケトジェニックダイエットでは、電解質のナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウムが失われるので、食卓塩(精製塩でナトリウム99.9%)や岩塩(カリウムが含まれていない)ではなく、地球上の全てのミネラルが含まれる天日海水塩の摂取が必要です。カリウムの摂取は、腎臓病患者には摂取量に制限が有りますが、心臓、脳、腎臓の健康のみならず、細胞の機能に大変重要なミネラルです。マグネシウムは、体内で300以上の重要な生化学反応に必要とされていますが、腸の不調に依るマグネシウムの吸収不可、野菜のマグネシウム不足により体のマグネシウム不足が生じ、ブレインフォグ、偏頭痛、不安障害、うつ等の脳の不調が生じます。更に、マグネシウムは甲状腺ホルモン生成に不可欠な為、不足すると甲状腺疾患が起きます。全身の細胞を機能させる為に甲状腺ホルモンは必要であり、病気を長引かせない為にも必要です。 清水スタイルでは、タイ産の海水塩、バジルシードを販売しています。バジルシード100g中には、マグネシウム307.6mg〜711mg、カルシウム1500mg〜2200mg、鉄分13.8mg〜89.8mg、羅漢果には、抗酸化物質のSODが多く含まれ、更にビタミンE、鉄、リン、マグネシウム、カルシウムが豊富に含まれています。

従来、ケトジェニックダイエットは、赤身肉はダメで、脂肪分の多い質の良い肉を多く食べることは最適とされていましたが、「ケト・タリアン」では、オーガニックではない穀物飼料で飼育された家畜の肉、及び食肉加工品は、炎症の原因であり、癌などの病気と関係が強いです。

以上が第1章の内容です。

 

目次

第1章 ケトジェニックダイエットの長所と短所

第2章 植物ベースダイエットの長所と短所

第3章 新ケトジェニックダイエットが起こす奇跡

第4章 ケトタリアンが食べるもの、食べないもの

第5章 ケトタリアンの外食、代替できる食品、軽食のアイデア

第6章 ケトタリアンへの最初の一歩 主要栄養素の比率を見つける

第7章 ケトタリアンのツールボックス 確実に習慣化するためのヒント

第8章 ケトタリアンの美味しいレシピと食事計画

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